たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



掛け算型

 昨夜(ゆうべ)、読みかけていた内沼晋太郎『本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)』読了。
 昨夜は、180ページあるうちの後半90ページを読んだわけだけれど、前半の言及対象が本全体*1から、「街の書店」のあり方にまで及んでくる。
 内沼さん曰く、「Amazonを筆頭とするECサイト」、そしてSNSはじめ、インターネットというものは、本から離れていくわけではなく、「すべての本に接続してがって」(P.106)いるという。これは、すごくおもしろい見方だなと思った。ネットは、本の敵ではないのだということを「接続したがっている」ということばで表しているのを初めて読んだ。
 本の未来を語った後、そのなかでも、「本屋」、「書店」に対する内沼さんの言及は始まる。

(前略)いわゆる本を売る「書店」は平均1日に1店のペースで街から減っているし、これからも減っていくだろうけれど、これまで見てきたように広義の本に関わる仕事、それをあらためて「本屋」と呼ぶとしたら、その「本屋」は減るどころか、むしろ増えていくだろうということです。
「書店」と「本屋」は違うという考え方は、鳥取にある定有堂書店の店主、奈良敏行さんに教えてもらいました。以下、以前に『BRUTUS』(709号、特集「本屋好き。」、マガジンハウス[引用者註『BRUTUS特別編集合本・本屋好き (マガジンハウスムック)』])で取材させていただいたときの、奈良さんの発言を引用します。

「書店」というのは、本という商品を扱い陳列してある「空間」。広いほどいいし立地も単純明快な方がよく、サービスの質をどんどん向上させていくものです。「本屋」はどちらかというと「人」で、本を媒介にした「人」とコミュニケーションを求める。[中略]本好きというのは「自分」という存在への関心が高い人ですから、出会った本について人と語り合いたくなる。「本屋」はその媒介者なんです。僕はその「本屋」という生き方が楽しいんですよ。

「本屋」は「空間」ではなく「人」であり「媒介者」のことである。それはたとえば、必ずしもリアルの「書店」を構えていなくても、「本屋」であるという「あり方」が可能であるということです。(P.134)

 この奈良さんの「本屋」と「書店」の定義分けは、とてもわかりやすい。「本屋=人、職業」「書店=空間」というわけである。
 その後、内沼さんは、自らが営むB&Bのことに触れながら、こう述べる。

(前略)仮に今よほど条件が揃ってうまくいっていたとしても、これからもずっと紙の本だけ売ってやっていこうと考えるのは、得策ではないように思います。これからの新刊書店が生き残っていくためには、本と相乗効果のあるいくつかのビジネスを組み合わせて、収益源を複数確保するという「掛け算型」が、最良にしてほとんど唯一の方法ではないか、とぼくは考えています。(P.154)

また、

(前略)個人的な「本屋」活動を始めるときに、いきなりビジネスとして事業計画を立て、それで生計を立てていこうと考えることは、ぼくはあまりおすすめしません。自分にとって「本」とは何か、どうしてその「媒介者」になりたいのかと考えたうえで、一番強い気持ちを持てるようになることを、まずは気軽に、お金にならなくてもいいという前提で始めたほうが、他に誰もやっていない、面白いプロジェクトが生まれやすいからです。(P.173)

とも書いていて、まさにそのとおりだなぁ、やっぱりそうなのだろうなぁ、と思う。ぼくのように、いきなり「生計」「生業」「しごと」として本屋(リアル書店)を開業しようとすると、収益を出すのに精を出さなければならず、「面白いプロジェクト」などが生まれにくいよなぁと思う。そう考えると、やはり、少しでも「空間」としての書店+「本屋」としての遊びもさせてくれそうなリアル書店でアルバイトしながら、などというのがいちばん良い方法だと思うのだけれど、先週面接したスタンダードブックストアの二次面接選考連絡は、きょうが最終日だったのだけれど、やはり来なかったし、もちろん、まだまだ他にも働かせてくれそうな書店を探し続けるというのも手ではあるけれど、よほど良い巡り合いがなければ難しいと思う。いや、もちろん、リアル書店を起ち上げ、それを続ける方が、もっと困難だという問題はあるにしても。

本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)

本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)

BRUTUS特別編集合本・本屋好き (マガジンハウスムック)

BRUTUS特別編集合本・本屋好き (マガジンハウスムック)

 今朝、6時半起床。目覚め前、ものすごいエネルギッシュな夢を見た。
 高校(ぼくは中退したのだけど)のクラスメイトたちが集まる飲み会のような場所で、なんだかわからないようなゲームをしていて、めちゃくちゃ盛り上がっているのだった。いま、ぼくが、迷い、やろうとしていることを後押ししてくれる感じで。とてもうれしかった。
 妻の朝食のために、たらこと昆布のおにぎりをつくって、8:30、息子が入院するのM病院の病室へ。息子は、朝食のお粥を食べていた。妻がぼくのつくったおにぎりを食べている間、ぼくと息子はプレイルームに行き、おもちゃで遊ぶ。妻がシャワーを浴びにいったん自宅に戻っている間、プレイルームで、「トイ・ストーリー [DVD]」のDVDを見せてもらった。病室では、一応、DVD機などは持ち込み禁止だが、小児科病棟のプレイルームには、そうしてDVD鑑賞をさせてくれるサービスがあるようで、ほかにも「アナと雪の女王」をはじめ、「ダンボ」や「バンビ」などのディズニー映画や、アンパンマンなどのDVDが用意されていた。息子は、初めて「トイ・ストーリー」というか、フルCG長編アニメを目にして、昨日の、テレビを見ていたときと同様、瞬きをするのを忘れたように熱心に見ていた。
 昼食前、看護師の実習生さんに清拭をしてもらう。昼食は、うどんにしてもらった。その後、自宅から戻ってきた妻と交代し、ぼくは、生活クラブ生協大阪の地区運営委員会(守口中央地区)のため、中央公民館へ。地区イベントや、研修会、そして、大事な会議も「ズンドコ」生活のため、ずっと休ませてもらっていたので、参加しにくかったが、きょう参加しないと余計に参加しにくくなるだろうと思って、「がんばった」。ぼくが無責任な地区委員代表だったため、代表を交代してもらったTさんも、少し違和感はあったが、それなりに迎えてもらえて良かった。会議は、15時すぎ終了。
 会議中、妻から「今(息子が)寝て、夕食まで起きないと思うのでゆっくりしてて」というメールが届いたので、原付で、ずっと気になっていた物件寺内町1丁目・家賃7.02万円/32.5㎡)を見に行ってみた。やはり少し駅から遠いが、京阪線の高架に面しており、悪くはない立地だと思った。気分が乗って、そのまま京阪守口市駅前の京阪不動産センターに物件を相談しに行ってみようかとも思ったが、やはり勇気が出ずに帰宅。
 18時すぎ、またM病院へ。息子は夕食中。うどん。おやつに出された「わらび餅」を17時に食べてしまったからか、満腹だったようで、ほとんど食べず。また昼寝中に、主治医のA医師から診察に呼び出されてしまい、16時には起きていたということだった。診察の結果は、術後の状態は順調で、昨日はまだ両耳が「耳だれ」の状況が続いていたのだけれど、きょうは、もう左耳は乾いていたらしい。見た目にも息子は喉がまだ痛いようだが、元気そのものである(以前より「声」が高くなっているのが不思議だというくらい)。看護師の実習生(20才!)の「おねえちゃん」に、電車の絵本もたくさん読んでもらったらしく、上機嫌でもあった。地下にある食堂に夕食を摂りに行った妻と交代で、息子とまたプレイルームに行き、きょうは初めてブロックで遊んだ。
 ちなみに、きょう、改めて、今回の息子の病名と手術の内容を書いた紙を見てみると、以下のように書いてあった。

・病名 扁桃肥大アデノイド増殖症滲出性中耳炎
・治療の名称(手術の内容) 両口蓋扁桃摘出術アデノイド切除術鼓膜チュービング

 20時、帰宅。洗濯。

トイ・ストーリー [DVD]

トイ・ストーリー [DVD]

 夜、ネットを見ていたら、この賃貸店舗もいいな、と思った。

守口市梅園町 住店舗戸建|賃貸 事業用|株式会社京阪不動産センター

 あとこれとか。

*1:ここで言う「本」の定義は、昨日の日記を参照 http://bit.ly/1r3rl1u

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