たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



あ、そうだ、たしか、たらればさん、ですよね!

■ 市外局番098

 昨日(3/23)の午後、例の「予定物件」である「古民家」の契約に向けて話を進めているM不動産のYさんより電話。
 「きょう、家賃保証会社に、以前書いてもらった『入居申込書兼保証委託申込書』(参照)を送ったので、近日中に保証会社から電話があると思います。連帯保証人である、奧さんにも電話があると思いますので、念のため、お伝えしておいていただければ」と。
 「その保証会社とは、なんていう会社ですか?」と、ぼくが訊ねると、Yさんは「全保連株式会社という沖縄に本社のある会社です。おそらく本社の方から電話があると思うので、市外局番が098の電話番号からかかってくると思います」と言い、「わかりました。とくに嘘をつくことなく、正直に答えればいいんですよね?(笑)」と、ぼくは言い、Yさんは「もちろん、ありのままを答えていただいて、大丈夫だと思います」とのこと。
 昨日、その後、一日中、いつ電話がかかってくるのか、とドキドキしながらiPhoneを何度も覗きこんだが、結局、市外局番098からの電話はなく、かかってきたのは、今度、息子のために「無料体験教室」を申し込もうかと思っていて、メールで問い合わせたピアノ教室の先生からで、タイミングが悪く、何度も電話をもらっていたのに、いつも受けられなかった。

 そして、きょう、午後、息子の銀行口座を開くために、仕事を抜けてきた妻とともに西区のM銀行で手続きを済まし、その後「お茶でも飲もう」と入った珈琲館・寿里庵で、妻が仕事に戻った後、店内の高校野球中継を見ながらボンヤリしているときに、突然お尻のiPhoneが震えだし、画面を見たら「098-866-XXXX」という表示で、「ぎゃっ、このタイミングで来たか」と思ったけど、深呼吸してから電話に出た。
 電話の向こうからは、ひどく事務的な声の女性が「この度、お申し込みいただいた賃貸保証の件でお電話いたしました」と話し始め、生年月日、職業(無職です、と答えた)、年齢、始める事業の種類(古本屋です)、準備資金の額、自宅が持ち家か、ローンが残っているかなどを、ほんとうに淡々と訊かれ、ぼくも淡々と答えた。およそ5分くらいだったと思う。
 電話を切った後、すぐ妻に「今、保証会社から電話あった! そっちにもかかってくるかも!」とメールすると、しばらく経ってから、妻から「こっちにも、さっき会社に電話があったよ」と返信があり、そっか、妻の場合は、会社に連絡があるんだと思った。帰宅した妻に、「どんなこと訊かれたん?」と訊ねると、会社の名前や、携帯の電話番号、年収、連帯保証人になっていることの確認、ぐらいだったみたい。
 さて、これで、保証会社の審査が通れば、いよいよ「古民家」の契約だ。おそらく大丈夫だとは思うが、明日以降、M不動産のYさんの電話をドキドキしながら待つことになる。

■ 店番のお礼

 昨日(3/23)は、夕方、息子を保育所に迎えに行った後、予約してあった守口駅前歯科クリニックに、息子を連れて行き、定期健診。(ぼくと違って、息子には)虫歯はなく、安心した。また3ヶ月後の平日夕方に、定期健診の予約を入れ、それから、国道1号線を自転車で西へ。今年1月下旬にオープンした「東京メロンパン(京阪本通店)」へ行き、噂のメロンパンをいくつか購入。メロンパンを選んでいる間に、レジ横に置いてあった「メロンパンラスク」がおいしそうだったので、息子とふたりでボリボリ食べていたのだが、「あっ! 『フッ素』塗ったから、2~30分は、何も飲んだり食べたりしたらあかんて言われてたんやった!」と思い、息子が手に持っていたラスクを取り上げた(ごめん、息子よ)。もうすでに、息子は何口か食べてしまっていた。
 そのメロンパンは、プレーン味のほかにも、イチゴ味、チョコ味などがあり、メロンパンのほかにも、クロワッサンや、アップルパイも購入したので、今朝の朝食に、家族みんなでそれぞれ分け合って食べたが、ぼくがいちばんおいしいと思えたのは、残念ながら(?)クロワッサンだった。メロンパンのなかで、しいて挙げるなら、チョコ味か。

 メロンパンを買った後、「我ら思う、故に我ら在り」(「仮面ライダーゴースト」の主題歌)を大声で歌う息子を後ろに乗せ、マックスバリュ(太子橋店)へ行き、食料品の買い物。
 そして、息子には、21日の「和束町で、本をめぐる一日」の一箱古本市で、店番をがんばってくれたので(参照)、約束通り、「キューブキリン」の食玩を買ってあげた。その帰り、新橋寺町児童遊園で少し遊んでいたとき、息子が「あ、おとうさん、見て、雲!」と空を指さすので、空を見上げたら、なんともいいようのない雲が広がっていた。
 「キューブキリン」を、息子はとても喜んでおり、帰宅すると、すぐに組み立ててほしがったので、いっしょに組み立てて(息子はシールを貼っただけだけど)、その「キューブキリン」を変形させて遊びながら、テレビで「動物戦隊ジュウオウジャー」を見る、という、ぜいたくな時間を息子に過ごしてもらっている間、ぼくは、夕食をつくった。
 昨日は、歯医者に行ったり、メロンパン屋さんにも行ったり、公園でも遊んだりしたので、夕食が完成したのが、いつもより少し遅く、久しぶりに、仕事から帰宅した妻と、20時ごろ、3人で食べた。

■ 本は人生のおやつです!!(大阪市北区)へ

 きょうは、さきほど書いたように、午後、大阪市内まで出たので、保証会社からの電話があった珈琲館・寿里庵を出た後、息子の保育所のお迎えの時間まで、少し時間があったこともあり、近くに本屋さんあったっけ? と思いを巡らすと、すぐに頭のなかに出てきたのが、堂島にある「本おや」こと「本は人生のおやつです!!」で、ただ、以前(といっても、2014年の11月だ[参照])お伺いしたときに、「本おや」のSさんに「今度、守口で書店を開こうと思っています」と声をかけ、応援していただいたにも関わらず、それきりになっていたので、少々恥ずかしさもあった。でも、なんとなく、保証会社からの電話も終え、何より、久しぶりに「本おや」の棚やお店を味わいたくもあって、向かうことにした。
 平日、15時すぎの「本おや」の店内には、お客さんはおらず、Sさんのパソコンのキーボードを叩く音だけが響いていて、店に入ったとき、Sさんに「こんにちは」とご挨拶はしたものの、「きっと、覚えておられないだろう」と思って、そのまま店内を歩き、棚を見た。均一棚を含めて、やはり、すばらしい棚だった。今では、けっこうな書店で見かけるけれど、ぼくは、2014年11月に、ここ「本おや」で初めて、新刊と古書が混在し、それがきちんと成立している棚を見た。そして、きょうもその棚は健在だった。井上理津子さんの新刊『関西かくし味』が、やはり光っていた。
 均一棚から、まついのりこ『たしざん (福音館のペーパーバック絵本)』、ウィルバート・オードリー 作/文平玲子 訳 『トーマスといたずらねずみ (トーマスの新テレビシリーズ)』(きょう買った版では「トーマスとねずみ」という題)、『トーマスとフォグマン (トーマスのテレビ絵本)』、『ハーヴィーのはつしごと (トーマスのテレビ絵本)』、『かぶとむし・くわがた (子供のカラー図鑑シリーズ)』(らくがき舎)、伊藤比呂美青梅 (集英社文庫)』、町田時子『にひきのあひる』(中央出版社)、それから他の棚から、中嶋聡ブルマーはなぜ消えたのか―セクハラと心の傷の文化を問う』、宮本輝錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)』(この作品は好きすぎて、見かけると買ってしまう)、Sさんが「本おや」を開くときの物件探しのことが書いてあった「本のある部屋(vol.3)」を手に持ち、レジに向かった。
 そうしたら、Sさんは、「あ、この間、増山さんと来てくださった方ですよね!?」と言われたので、ちょっとドギマギしていると、「あれ、人違いでしたか、ごめんなさい」と言われ、「あれ、でも、前に、一度、お店に来ていただけましたよね?」とも言われ、「えっ、覚えていらっしゃいますか?」とぼくはかなり驚き、その次に、Sさんから出たことばは「あ、そうだ、たしか『たらればさん』ですよね!」という、奇跡にも近いおことばで、どうやら、ぼくが2014年の11月に来店して、ご挨拶したことを覚えていてくださっていたようだった。


錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

  • 作者:宮本 輝
  • 発売日: 1985/05/28
  • メディア: 文庫

 ぼくは、とても恐縮しながら、これまでごぶさたしていた非礼を詫び、さらに現状(また「再始動」している)を説明したら、Sさんはとても喜んでくださった。
 その後も、Sさんは、ぼくのことを「たらればさん」、「たらればさん」と呼ぶので、そんなふうに呼ばれたことのなかったぼくは、とても照れくさく、でも、内心、少しうれしく、誇らしかった。Sさんとは、その後、宮本輝錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)』の話をしたり(Sさんもかなり好きな作品らしい)、増山さん(『勇者たちへの伝言 いつの日か来た道 (ハルキ文庫)』の著者の増山実さんで、「本おや」の常連さんらしい)のことも教えていただいたり、一箱古本市のこと、取次業界のこと、いろいろなことを話した。

 Sさん、ありがとうございました。また、たられば書店開店の準備が整ったら、お知らせします。
 「本は人生のおやつです!!」というお店は、いろんな意味で、大阪の古書、いや、書店業界の「ひと筋の光」だと思う。Sさんの人柄、声、(そして記憶力!)、もちろん扱っている本。鏡になる。

■ スプリングハズカム

 その後、急いで帰路につき、息子を保育所まで迎えに行き、きょうは、少し寒かったけれど、旭区の太子橋中公園へ遊びに行った。
 もう少しすると、お花見でたくさんの人が訪れるこの公園も、きょうは寒かったせいもあるのか、遊具などで遊ぶ子どもたち以外にはほとんど誰も訪れていなかった。でも、確実に、春は近づいている様子が伺えた。
 ひとしきり「かくれんぼ」を息子と楽しんだ後、帰宅。

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