たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



併走する決意 ~「読読 よんどく?」・Nさんと~

■ (引き続き)お知らせ いよいよ明日 3/21(月・祝)【和束町で、本をめぐる一日】に出展します

 以前から何度か「お知らせ」させてもらっているけれど、開催が明日になったので最後の告知をします。
 明日は、なんとか晴れそうです!(でも、ちょっと寒そう…)「一箱古本市」の準備、きょうの夕方から飲まず食わずでやってますが、まだほとんど進んでいません。今夜中に、なんとかします!(以下、再掲)


 3/21(月・祝)に、京都府相良郡・和束町で開催される「和束町で、本をめぐる一日 & わづか文化バザールークラフトマーケットと陶芸展、本や音楽と・・・」に、出展します。
 「たられば書店」という屋号をひっさげて出展するのも初めてなら、個人的にも「一箱古本市」の出展も初めてという、けっこう思い切った参加。

 ぼくがなぜこのイベントに参加しようかと思ったかというと、和束町には「本屋も図書館もない」という、イベントの紹介文だった(以前の日誌でも書いたが、我が守口市にも「図書館」がない*1)。それから、イベントも「一箱古本市」だけではなく、クラフト展や音楽ライブ、本やその他のワークショップ、と、とても楽しそうだったから。
 当日は、妻と息子と本を乗せて、小さな愛車・タントで向かう予定。和束町まで、国道163号線をひたすら東へ、約1時間。和束町、行ったことがないし、とても楽しみ。

 今後、大展開を見せるであろう(!)たられば書店の「はじめの一歩」を目にしたい方、(おそらく)春の陽気のなか、茶畑の広がる風景のなか、本に、クラフトに、音楽に、おいしい食べ物に囲まれて過ごしたい方、その他、どなたでも、ぜひいっしょに和束町に行きましょう。
 詳細は↓にて。

 ●和束町で、本をめぐる一日 & わづか文化バザールークラフトマーケットと陶芸展、本や音楽と・・・
 ●いいとこ和束~茶源郷~

本屋も図書館もない和束町ですが、本好きはたぶんけっこういるもの。
ふだん会う機会のない本好きが集まり語り合える、本をめぐる一日を企画しました。クラフト展や音楽ライブも同時開催なので、一日のんびり楽しめます。和束町近隣の本好きの方、ぜひお越しください。

・日時:2016年3月21日(月・祝) 11:00 ~ 20:00(自由参加)
・場所:和束丘の家・わづか舎(和束町白栖下出56)
・地図:http://bit.ly/wazukaH

・主催:和束喫茶去研究会/カルティベーション・パートナーズ
・協力:和束町こどもの本研究会ほか

■ 「読読 よんどく?」との出会い

 3/16の日誌のいちばん最後に、

ずっと楽しみにしていた、本と本屋さんのポータルサイト「読読 よんどく?」の運営者の方とお話。わざわざ守口まで来てもらって、とても濃密な3時間を過ごした@来迎カレーの店・うぺぽ。

始めてしまった者勝ち - たられば書店 (仮称) 開業日誌

 と書いた。
 「読読 よんどく?」とは、ぼくが説明などするよりも、ホームページを見てもらったら、一目瞭然、かなり質の高い、「本と本屋さんのポータルサイト」と言ってしまうには、それでも足りない、昨年ページを開設された、今のぼくにとっては、大切な場所で、おそらく京阪神に住む本好きの人で、常用的にインターネットを使って、本の情報を集めている人で知らない人はいないんじゃないか、と思う、そういうページ。

yondoku.jp

 ぼくは、「読読 よんどく?」の本屋情報が、トーキョー発ではなく「京阪神発」というところに、とても好感を持っていた。
 そして、ページづくりに、きちんとお金と労力と、本屋と本に対するアツイ気持ちが入魂されていることがヒシヒシと伝わってきた。古本屋と新刊書店を分け隔てなく紹介しているところも好きだった。
 あるとき、「読読 よんどく?」の「お知らせ」ページを見ると、「サポーター募集」、「お店やオススメ本を紹介いただけるユーザーの方も募集しています」ということが書いてあったので、ぼくなんかが務まるかな、と思ったが、思い切って、記載されているメールアドレスにメールを送ってみた。3/4のことだった。

読読 ご担当者さま

こんにちは。初めまして。
突然のメールにて失礼いたします。
いつも、「読読」のさまざまなページ、楽しみに読ませていただいております。
私は、大阪・守口市在住の、山本大介と申します。現在41才(1974年8月生まれ)で、主夫をしています。
この度、「読読」内の「サポーター募集」のご案内を拝見して、突然ではありますが、メールさせていただきました。

● ● ●

2014年秋以来、私は、大阪・守口市に「たられば書店(仮称)」という古本屋を開業しようと、「お店づくりの参考にしたい」、「世の本屋さんの人というのは、何を考えているのか?」という思いで、新刊書店・古書店問わず、訪問し、お話を聞いたりさせてもらっています。(紆余曲折があり、2014年12月~2016年1月はその活動を中断していましたが…)
最近は、訪れる本屋さんを決める際、「読読」のページをかなり参考にさせていただいています。

これからも、関西圏内を問わず、日本全国の(できれば世界の)いろいろな書店を廻りたいと考えています。お店を開業してしまえば(2016年中ぐらいを目処にしています)、きっとそちらの業務で手一杯になってしまいますので、こういう機会は、人生で最後のチャンスだと思っています。

かねてより、本屋さん・書店への訪問は、私のライフワークでもありました。どこか知らない土地へ行くと、「その土地の本屋さんと喫茶店には必ず行く」ということが私の、数少ないモットーのひとつです。

そういった私の本屋さん訪問と、「読読」さんのサポーター業務とが、趣味と実益を兼ねる、といいますか、がっちり合っているのではないか? …勝手にそんなふうに考えてしまい、この度、応募させていただいた次第です。

 いつものぼくのとおり、他にもいろいろと書いて、長いメールをお送りしてしまったのだが、その日のうちに「読読 よんどく?」のNさんからお返事をいただき、それから約2週間後の3/16、念願の対面という場を設けさせていただくことになった。
 当初は、Nさんが大阪市内にお住まいだということもあって、梅田、難波などで会うことになるだろう、と思っていた。そして、具体的にお目にかかる日時を決めたとき、Nさんの方から「守口から来られるようでしたら京橋辺りでの待ち合わせでもいいかもしれませんね」と持ちかけていただき、その文面を読んだとき、ぼくは「あ、これは、(申し訳ないけれど)守口市まで来ていただいて、一度、「たられば書店」を開業しようとしている場所(予定物件)を見ていただきたい」と、突然思い立った。
 大阪は狭い。狭いけれど、ぼくもまだ行ったことのない場所ばかりだ。以前、「LVDB BOOKS」に行ったとき、駒川中野という場所に、ぼくも初めて行った。そして、お店自体も魅力的だったが、個人商店が息づいているその町全体も魅力的なことを、知ったということもある(参照)。
 きっと、Nさんも、守口なんて来たことがないに違いない、とくに、本屋目的で守口市なんかに来る人は(おそらく)いない。そう思って、失礼なことは、重々承知の上「守口で会えませんか?」とご提案させてもらったところ、快く承諾してもらった。

■ 古民家との再会

 3/16の12時に、地下鉄谷町線守口駅の改札でNさんと待ち合わせをした。
 もちろん初対面である。お顔はわからない。でも、平日・日中の守口駅は乗降客もほとんどいないし、何より「本好きの人は、すぐわかる」と思っていた。
 けれど、少し心配だったのは、「読読 よんどく?」のページを見てもらうとわかるのだが、かなりオシャレで洗練されたページである。たぶん、Nさんは、ものすごくスラリとしていて、ブランドもののカーディガンを、ブランドものとは周囲に気づかせない感じで、サラっと着こなしてしまう、そういう人なんじゃないか、そういうぼくが普段苦手としている人を、たとえ「本好きの人は、すぐわかる」と自負しているぼくでも、見分けることができるだろうか? と、ちょっとモヤモヤしていたのも事実だ。

 そして、約束の時間に表れたNさん、すぐにわかった…。
 「すぐにわかった」というのが、何を意味するのかは想像にお任せする。いや、もちろん、頭ボサボサで、小太りチビおやじのぼくに比べれば断然「スラリとしていて」、「カーディガンを」「サラっと着こなしてしまう」風のNさんだったのだか、ぼくの想像とは違っていて、まず、そこに驚き、且つ、「あぁ、良かった、この人となら、お話できるかも」と安心した。

 それから、すぐにNさんを、たられば書店の「予定物件」にご案内した。地下鉄・守口駅からだと、ほんとうに徒歩1分もかかるか、かからないかの、文禄堤沿いに「予定物件」の「古民家」はある。
 3/17の日誌にも書いたが(参照)、実は、ぼくは、その「予定物件」に、2014年12月以来、一度も訪れていなかった。その物件の前を通ることすら避けていた。
 ぼくの(新刊)書店「たられば書店」像が頓挫した後、いろいろあり(参照)、正直、その物件を目にすることが、とてもこわかった。先月、「再始動」を開始してからも、訪れていなかった。
 でも、昨日は、「読読 よんどく?」のNさんとなら「行ける(見られる)」と思って、その駅から徒歩1分もかかるか、かからないかの道中を、一歩一歩踏みしめるように歩いた。「もう、誰かに借りられているかもしれない」という心配もあった。
 そして、すぐに「予定物件」の「古民家」の前に到着。
 そこには、見た目には、2014年12月以来、なにも変わらない「古民家」の姿があった。

 Nさんは、「あぁ、ここですか」と言った。「ここなんです」とぼくは言った。
 その後、周辺環境(地下鉄の駅からは近いが、京阪の守口市駅からは少し遠い。人通りはほとんどない、など)や、文禄堤の歴史のことを、Nさんに説明しつつ、ぼくは心中穏やかではなく、「外観からは、どうやら借り手が見つかっているとは思えないが、実際はどうなんだろう?」と思ったり、頭がクラクラするほど、いろいろなことが頭のなかを駆け巡っていたが、頭を切り換えて、「では、カレー屋さんで、ゆっくりお話しましょう」と、そこからまた徒歩数分のところにある「来迎(らいこう)カレーの店・うぺぽ」に、Nさんを案内した。
 予約した12:30よりもかなりはやく着いてしまった「うぺぽ」店内は、カレーの匂いが充満する店内で、子ども連れのお母さんたちで賑わっていた。とても良い雰囲気だった。こういう空間が、守口にあることをうれしく思った。
 2Fの予約席に案内してもらい、Nさんは「来迎カレー」を、ぼくは「チャパティセット」を注文した。
 そして、それから3時間、ぼくもNさんも、不要な前置きや、世間話をすることなく、ぶっ通しで、本と本屋について語り合った。

■ 来迎カレーの店・うぺぽにて

 「読読 よんどく?」の「これまで・今・これから」のこと、コピーライターの本業をもちながら、実質ひとりでページを運営・管理し、各書店廻りもしているNさんのご苦労と楽しいエピソード。
 京都にある古本・中古レコード屋「100000t アローントコ」の店主・Kさんとのお話、神戸の古本屋「ワールドエンズガーデン」のOさんとのすばらしい企画、その他、この場では(書きたいけれど)書けないことも多いが、どれも楽しく、そして、今のぼくにとって勉強になるお話ばかりだった。
 ぼくも、「たられば書店」への思いや、これまでの経緯、それから、これまで廻った書店のこと、いろいろとお話した。「うぺぽ」の方には申し訳ないのだが、ほんとにカレーも、その後飲んだコーヒーの味もほとんど覚えていないほど話すに話した。コーヒーがなくなってからは、ふたりで水をガブガブ飲みながら、話した。
 ぼくは、きょう、やっぱり、Nさんを守口にお招きして良かった、と思った。本と本屋の話をNさんと、(大阪市内や、京都や、トーキョーではなく)守口(の、来迎町の「うぺぽ」)で、できた、という経験が、きっと何より代えがたいものなのだと思った。

 ぼくは、もっともっとNさんと話していたかったが、そろそろ息子の保育所のお迎えの時間が近づいてきたこともあって、お店を後にした。
 ランチの営業時間(~14:30)がすっかり過ぎているにもかかわらず、そっとしておいてくれた「うぺぽ」の方に申し訳ないと思いつつ、1Fに下りると、すでに照明は消えていて、ご夫婦おふたりが後片付けをされていた。長居したことを謝り、そして、ぼくは、「今度、この階段の上の古民家で、古本屋をやりたいと思っています。きっと、カレーと本は相性がいいと思うので、今後ともよろしくお願いします」と挨拶させてもらった。「うぺぽ」のおふたりは、ぼくの挨拶に少し驚かれていたようだった。「あの家は、きっとかなり改修が必要ですよ、大丈夫ですか?」と心遣いも下さり、ありがたかった。

 その後、文禄堤をNさんと少し歩いた。
 「中華料理・追立」だった場所にオープンした「BUNROKU 文禄堤薩摩英国館」や、長屋を改装して日本料理屋を始められた「文禄堤 茶味」と、最近、この文禄堤は、なかなか元気である。文禄堤を下りてすぐの守口市役所前には、「Les pains favoris レ パン ファボリ」というパン屋さんも、だいぶ前にオープンして、とても繁盛しているようだ。
 地下鉄への入り口で、Nさんを見送った。
 さきほどは、興奮しすぎて、きちんと確認していなかったが、地下鉄への入り口の前で、Nさんとお話・確認した限りでは、どうやら、ぼくも「読読 よんどく?」に協力させていただけるようだった。やったー。

 Nさんと別れ、息子のお迎えまで、まだ少し時間的に余裕があったぼくは、再度、「予定物件」の「古民家」前まで文禄堤を戻った。

 そして、「古民家」の前で、「古民家」を見ながら、ぼくは、Twitterfacebookにこう投稿した。

実は、ずっとこわくて足を向けていなかったのですが、「読読(よんどく?)」 http://yondoku.jp の方といっしょにならば行ける、と思い、とても久しぶりに「たられば書店」の予定物件を見に行きました。(たぶん)まだ誰にも借りられず...

たられば書店-開業準備中さんの投稿 2016年3月16日

 その日の夜、ぼくは、Nさんへのお礼メールで、以下のように書いた。

Nさんの、そして「読読 よんどく?」の未来に、ぼくも併走させてください。よろしくお願いいたします。

 Nさん、ありがとうございました。これから、どうぞ、よろしくお願いいたします。

■ 本屋ポータル

 ちなみに、本屋さんのポータルサイトって、ほかに、どういうものがあるのだろう? って調べたら、↓ぐらいなのだろうか。
 読者の方で、ほかにも「こんないいサイトがあるよ」っていうページがあったら、ぜひ教えてください。
 ひと昔前は、本屋にとって、「インターネットや図書館や(その他もろもろ)は敵だ」みたいな風潮があったが、今は、こちらも「併走」していくことが必要で、そして、きっと楽しい。

*1:図書「室」はあるし、本屋もあります

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