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たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



たられば書店・開店第1弾イベント(勝手に)決定【山本善行×岡崎武志の『守口高校同窓会』、そして少し本のこと】(希望)

■ 470日ぶりぐらい

 昨日(3/16)のお昼から夕方にかけて、ずっと楽しみにしていた、本と本屋さんのポータルサイト読読 よんどく?」の運営者・Nさんに、わざわざ守口まで来てもらって、来迎(らいこう)町にある「来迎カレーの店・うぺぽ」で、とても濃密な3時間を過ごしたのだが、その話は、また別の機会に書くとして、その際、ぼくは、Nさんに「たられば書店」の「予定物件」を見てもらうことを「口実」(?)に、ぼくの書店構想が頓挫し、ぼくが凹み始めた2014年12月以来、約1年3ヶ月ぶりに、Nさんとともに、文禄堤沿いにある、例の「古民家」を訪れた。
 
 その「古民家」に出会ったのは、2014年9月21日だった。
 その日の日誌に、ぼくは、

最初にそこを紹介されたのは、何かの運命かもしれないとまで思ってしまった。

初めての物件紹介&内覧 - たられば書店 (仮称) 開業日誌

 と、書いている。
 結局、その日は、A不動産が鍵を持っていなくて(その物件の直接の管理会社はN不動産だ)内覧はできず、初めてその「古民家」に足を踏み入れたのは、それから2日後の9/23だった(参照)。
 その後、たくさんの不動産屋を廻り、たくさんの物件を見た。そして、妻や息子とともに内覧もした(9/27)。紆余曲折あったが、結局、ぼくは、取次との契約のために奔走しつつ、その「古民家」で、新刊書店か古本屋になるかわからないままに、とりあえず契約に向けての一歩を踏み出すところまでいった。

M不動産に行き、いよいよ、「古民家」に対する「入居申込書兼保証委託申込書」を記入。9/23にK不動産の案内で内覧*2させてもらってから、ここまで約1ヶ月半かかった。まだ正式に契約した(できた)わけではないけれど、「いよいよ感」はあった。

入居申込書兼保証委託申込書 - たられば書店 (仮称) 開業日誌

 妻は、ある夜、

「(略)でも、『古民家』しかないかな、やっぱり」と、ぼく。 「あそこやったら、夢がひろがる」と妻。

「夢がひろがる」、と妻は言った。 - たられば書店 (仮称) 開業日誌

 「あそこやったら、夢がひろがる」と言った。そうした物件だった。

■ 夢がひろがる、ただ1点

 約1年3ヶ月ぶりに再会した「古民家」は、約1年3ヶ月前とほとんど変わらない佇まいで、ひっそりと建っていた。ただ、裏庭にあった大きな木は、すでに切り倒されていた。そのことは、以前、その前を通った妻から聞いていた。


↑2014年9月21日 / 2016年3月16日↓



↑2014年9月27日 / 2016年3月16日↓

 ぼくは、ひとりで動き始めるのは勇気がなかった。
 M不動産のYさんとも、きちんとご挨拶しないまま、2014年12月以来、一切連絡をとっていなかった。M不動産は、京阪守口市駅前にあるから、正直、この1年3ヶ月、京阪の駅に行くのも、わざとM不動産の前を通らないようにしていたほどだった。
 なので「読読 よんどく?」のNさん(初対面だったのに)がそばにいてくれるそのときに、Nさんにも付いてきてもらって(初対面なのに!)、そのまま不動産屋に行って、現在の状況(まだ賃貸募集物件なのか? もう借り手は見つかっているのか?、など)を聞いてみたかったが、残念ながら、昨日は水曜日で、不動産屋の定休日だった。

 Nさんとのお話が終わって、Nさんと別れた後、もう一度、その「古民家」の前に行って、物件の前に立って、ぼんやりしていた。
 相変わらず、人通りは少ない(ぼんやりしている間、人っ子一人通らなかった。車が1、2台通り過ぎただけだった)、そして、相変わらず古い(当然だ。2014年9月時点で「築年数不詳」だった。それからさらに、1年3ヶ月の築年数が加算されている)。立地条件としては、悪い点を挙げていった方が多い。いや、むしろ、良い点は、妻が言ったように「夢がひろがる」、ただその1点だった。
 そして、昨日は、そのまま息子を保育所まで迎えに行った。風邪をひいたようで、はやく眠った。

■ 善行堂・山本善行さん

 日が明けて、きょう。
 朝、妻と息子を見送って、やはり体調が悪かったので、薬を飲んで、昼前まで眠っていた。そして、昨日話した件で、「読読 よんどく?」のNさんからメールが届いているかもしれない、と、メールをチェックするためにパソコンを起動させ、ブラウザを開いた。
 昨日、この日誌を1週間ぶりに更新したこともあって、アクセス数はどうなっているだろう? と「はてな」の「アクセス解析」ページを見ていたら、「たられば書店・守口市」でYahoo!検索からページを見てくれている人がいて、ぼくも、そのことばでの検索結果がどんなものなのだろう? と調べてみた。
 そして、そこに、思わぬページが引っかかっていた。「古本ソムリエ」こと、善行堂・山本善行さんの「古本ソムリエの日記」(2014年11月21日)だった。
 その日記は、こんなふうに書かれてあった。

守口で古本屋さんを開こうとしている青年、ご来店。

「たられば書店」さん。

守口は、ずっと住んでた町なので驚いた。

守口と聞いただけでうれしくなる。

思い出すのはやっぱり守口高校*1

それほど楽しかったんだなあと思う。

おもろいやつがいてましたよ、ほんと。

毎日、どうしたら笑いがとれるかと考えていたころで、

ほんとアホなことばっかりしていた。

そんな守口に新しい古本屋さんができたらうれしいなあ。

岡崎といっしょに訪ねて、その夜は同窓会というのもいい。

 ぼくは、涙が出そうになった。
 その日記のコメント欄には、岡崎武志さんが「守口に古本屋とは、驚いた。乱歩ゆかりの地で、乱歩を並べてほしいですね。オープンしたら、行きたいねえ」とコメントしてくれおり、その返信として、山本さんが「来年の春ごろらしい。どんな店になるのかな。また一緒に行けたら楽しいな」と書いてあった。

 たしかに、ぼくは、2014年11月21日に、念願だった「古書 善行堂」へ訪れている。ガケ書房で行われた「早川義夫トーク&ライブ『ぼくら本屋のおやじさん』」に参加する直前に伺った。

(略)店主・山本善行さんに「実は、今度、守口で本屋を開きたいと思っているんです」と、細々と声を発する。 善行さんの第一声は「モリグチ!」というもので、どうやら、善行さん、我が守口にも長く住まわれたことがあるそうで、今はなき府立守口高校出身(ひとつ後輩が、岡崎武志さん)で、何か少し縁のようなものを感じた。 その後もいろいろとアドヴァイス下さり、名刺交換までしていただく。「なんでも相談に乗りますので、いつでも連絡ください」と古本ソムリエの善行さんから、もったいないおことばまで。 「この(書店業界にとって)苦しい時代、ひとりだけ飛び抜けようというのはだめで、みんなで盛り上げていかないと」とも仰っておられたのが印象深かった。

純なもの - たられば書店 (仮称) 開業日誌

 と書いている。
 すぐに、妻にも報告した。「まだ、あの古民家、空いてるって!」。妻は「よかったね!」と返信をくれた。

 ぼくは、多くの人の期待を裏切っている、と思った。妻や息子はもちろんだけれど、その他、多くの本好きの人たちや、ぼくに少しでも気持ちを寄せてくれた人を。
 その山本さんの日記を目にした後、すぐに(iPhoneの履歴をみると、13:25に)、M不動産のYさんに電話をした。もう「こわい」とか、「勇気が出ない」とか言ってる場合ではなかった。電話口に出たYさんは、ぼくのことを覚えていてくれ「心配していましたよ」と言ってくれた。そして、何度も謝りながら、細かな説明はしなかったが「またあの物件の契約に向けて進みたいが、まだ賃貸募集物件なのか、もう借り手は見つかっているのかなどを調べて欲しい」とお願いした。
 Yさんから、折り返し電話がかかってきたのは、15:47だった。
 Yさんは「まだ空いてます。そして、募集もされています。ついては、前回『入居申込書兼保証委託申込書』を提出していただいた条件で、再度、オーナーさんに話を持っていこうと思いますが、それでよろしいですか?」と言ったので、「はい、それで大丈夫です。お願いします」と、ぼくは言った。Yさんは「わかりました。では、これからオーナーさんに話してみますので、またお電話します」と言って、電話は終わった。

 ぼくは、それからすぐ(16:00)、Twitterに以下のように投稿している。

 山本(善行)さん、岡崎(武志)さん、心を寄せてくださっていたのに、ほんとうに申し訳ありませんでした。
 でも、やりますよ、ぼく。
 開店、第1弾イベントは、勝手に、もう決定させてもらいました! 【山本善行×岡崎武志の『守口高校同窓会』、そして少し本のこと】です。
 イベント後は、守口高校のみなさんで、たられば書店で同窓会を開いてください。そして、そこにぼくも少し混ぜてもらって、むかしの守口のこと、おふたりが「アホなことばっかりしていた」当時のこと、守口の本屋さんのこと、いろいろ聞かせてください。よろしくお願いします。

 ぼくは進む。

 きょうは、息子がこの1年間、保育所でつくった「作品」を持って帰る日だった。たくさんの作品があった。
 我が息子ながら、1年間、ほとんど休むことなく、ほんとうにがんばったと思う。彼の力強いタッチで描かれた作品を見てると、ぼくは、また背中を押された気がした。

 みんな、ありがとう。

*1:ちなみに、守口市西郷通3丁目にあった大阪府立守口高等学校は、2004年3月31で閉校、守口北高等学校と統合され、現在は大阪府立芦間高等学校になっている。跡地は、現在、守口市立樟風中学校になっている

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