懐かしき町田
11/8*1、11/22*2につづき、参加した「これからの本屋講座〈第2期〉」(3回目)の感想、及び、旅の記録。
*
11/29(土)。
朝、9時すぎ、起床。11時すぎ出発。
出発する直前、妻と公園に遊びに出かけようとしていた息子が、玄関の「扉止め」に体当たり(?)したためか、左顎をひどくケガ。
前回までと違い、きょうは、新幹線での横浜行き(飛行機は、やっぱり疲れる)。
地下鉄で東梅田まで行き、まだ時間があったので、紀伊國屋書店(グランフロント大阪店)に寄って、新刊チェック。
ちょうど、安藤忠雄さんのサイン会を開催していた時間で、店内はごった返しており。
その後、ヨドバシカメラで、壊れてしまったiPhoneカバーを購入。派手なオレンジ色にしてしまった。
JRに乗り、新大阪まで。新大阪といえば「ブックストア談」だったのだけれど、6月に「リブロ」に変わったという話を聞いていたので、一度行ってみたかった。
店内は、旅行客向けの本はもちろんだけれど、文庫などの品揃えもよく、売れ筋だけではないこだわりの棚づくりもされていて、好感をもった。
13:43発、こだま662号、東京行きに乗車。27番線ホームからの発車。
「こだま」で横浜まで行くのは、もしかしたら人生初だったかもしれない。JTBのツアーで安かったから選んだ。
ただし、車内で過ごす時間は、4時間弱。持っていった本は、内田樹『街場の文体論』。でも、ほとんど読むことなく、各駅に停まる駅の風景や、車窓を眺めていた。
途中、岐阜羽島駅で、向い側のボームに停まっている「ドクターイエロー」に遭遇。見ようと思っても、滅多に見られる車両じゃないので、大興奮。停車時間中に、思わずホームまで下りて、写真を撮る。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: ミシマ社
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 13人 クリック: 80回
- この商品を含むブログ (48件) を見る
名古屋、三河安城、豊橋、浜松、掛川、静岡を過ぎ、新富士に着いたときも、いつもは、車内からしか撮れない富士山を、列車を降りて、パシャリ。きれいな富士山だった。
んで、あっという間に17:28、新横浜着。
いつもは、19時スタートの「本屋講座」なのだけれど、きょうから18時スタートだということをすっかり忘れており、急いで横浜線に乗って、東神奈川、東神奈川から京浜東北線に乗り換えて、桜木町。早足。
急いだせいもあって、なんとか講座スタートから10分遅れぐらいで、会場のBUKATSUDO着。
今回からは、第1期生の方々とともに、第2期生も合同で、課せられていた課題「自分のやりたい(かもしれない)『本屋』」について、各々が発表していき、どんどんブラッシュアップするという内容。
参加者は総勢13名ほどいただろうか。うち、課題提出者は11名で、前回に引き続き、とても刺激的な「本屋」の構想が発表された。
3番目に、ぼくの「たられば書店」についても、発表。
これまで、じぶんのなかで悶々と考えていたことを発表するのは、少々緊張もしていたけれど、内沼(晋太郎)さんのリードにより、1回目にしてはなかなかうまくできたのではと思う。
ぼくの発表は、とりあえず新刊書店を開業する、という前提のもので、話を進め、コンセプトは、以下のように紹介。
①まちの本屋
⇒敷居が低く、誰でもが気軽に入って来られる本屋
⇒守口市駅前には、京阪百貨店に入っている旭屋書店(187坪)しか書店がなく、あとは、教科書販売などで成り立っていると思われるような20坪ほどの本屋が数店あるが、住民(少なくともぼく)の購買欲を満たすような書店はない。本好きの住民たちは、大阪市内のメガ書店に赴くか、ネットで購入していると思われる
⇒古書店も、駅からかなり離れた国道沿いに古本市場とブックオフがあるのみ
②「まちの本屋」と「セレクトショップ」の間を目指したい
⇒守口は上記のような書店環境なので、セレクトした本だけではなく、本好きではない普通のお客さんのニーズにも答えられるような品揃えを目指したい
③並べたい本・品
⇒雑誌・文学・人文書・絵本・コミック・育児・障害・高齢者・仕事・まちづくり・リトルプレス・雑貨・CD・DVD etc.(新刊配本には用いない)
④集う場所(1階奥和室・縁側・2階)
⇒子ども(親)、高齢者、障害者にも来てもらい、絵本の読み聞かせや、散歩中ホッとひと息付ける場に。Wi-Fi環境整備
⑤まちづくり(まち興し・まち残し)の拠点
⇒歴史のある京街道沿いにお店を構え、ゆくゆくは市内や近隣のNPO関連の人たちの「溜まり場」にもしてもらいたい
⇒伝統的に活動している公民館活動と、商いとの融合の場
⑥思春期ターゲット
⇒ぼくにとって本屋(図書館)は、思春期モヤモヤ時の居場所だった。そのため、現時点で思春期モヤモヤ時にいる中高生に来てもらい、生きる可能性を見出せる(より思春期モヤモヤを楽しめる)本に出会ってもらえる場にしたい
⑦イベント
⇒イベント名には「~たら」や「~れば」というものを必ず入れる
⑧コーヒー(やジュース)が飲める
⇒できれば、本屋オンリーで始めたいが
⑨ギャラリー
⇒1F・2Fの壁面などに
それから、物件についての立地(周囲の書店状況)や家賃・保証金、図面(現状とリノベーション予定)、ざっくりとした事業計画も紹介。
その後、気になっている点、疑問なども訊いてみた。
①ロゴ・ホームページ・ブログについて
⇒現在使っているロゴを名刺・ホームページ・ブログなどで使用しようと思っているが、やはり、プロのデザイナーなどに注文した方が良いか?
②新刊書店か古書店か、どちらで開業を目指すべきか
⇒取次との契約がうまくいかないなか、また、古民家という物件を加味すると、古書店での開業を目指した方が良いか?
③コンセプトについて
⇒「敷居が低く、誰でもが気軽に入って来られる本屋」と言っているものの、古民家では、ただでさえ「入りにくい」と思われるが、それには何か仕掛けが必要だと思われるが?(雑貨? カフェ? 「女子」が気に入る要素?)
⇒コーヒーを出したいが、公的に必要な許可はどんなものがあるのか? 食品営業許可申請? 食品衛生責任者の資格?
どんな機材が必要か、インスタントコーヒーではなく、せめて、コンビニのコーヒーレベルを求めたい⇒内装はどんなところに気をつければよいか?
⇒雑貨の仕入れ方(気に入った雑貨がどのメーカーのものか知るには?)
⇒リトルプレス(自費出版本)を置いてもらうには?
⇒ギャラリー誘致の方法は?
⇒(大阪の郊外での)可能なイベント企画とは? ※JR大阪駅から店には、電車で2~30分ほどかかる
⇒「集う場所」「まちづくりの拠点」とする仕掛けづくりには何が必要か?
④集客について
⇒どのような宣伝広告が有効か?(新刊書店・古書店)
・新聞折込チラシ
・大阪日日新聞(無料新聞) http://www.nnn.co.jp/dainichi/
・地域情報フリーペーパー「ぱど」http://goo.gl/5RJQHU/「まみたん」http://goo.gl/LK9Vxd
・街頭(駅前)でチラシ配り
・その他・雑誌に掲載してもらう
・京阪神エルマガジン社の各雑誌
「SAVVY」 http://lmaga.jp/savvy/
「Meets regional」 http://lmaga.jp/meets/
・各種web・SNS⇒雑誌・webともに、どうすれば掲載してもらえるのか?
などなど。
これからの疑問に、内沼さんは、ていねいにひとつずつ答えてくれた。
細かい点は、ここでは書かないが、本棚をもう少し増やした方がいいのでは? というアドヴァイスは、まったくその通りだと思った。今のままでは、「集う場」としてのコンセプトに重きを置きすぎており、少し本を置けるスペースが少なすぎるかもしれない。あくまでも、主は「本屋」なのだ。
また、雑誌などに載せてもらうためにも、「プレスリリース」を作ってみては? とのアドヴァイスもいただいた。
22時きっかり、講座修了。
講座の進み方は、発表者←→内沼さんというかたちでやられているのが少し残念。4時間で10人以上の発表をこなさないといけないんで、時間が足りないこともあるのだが、もっと、参加者の意見を聞く時間があってもいいのではないかと思った。
それから、BUKATSUDO内で、内沼さんや参加者のみなさんと歓談。
東京・町田市から講座に参加されているTさんと、ぼくも、学生時代よくウロウロしていた町田話で盛り上がれたのは楽しかった。
23時すぎ、かなり混み合う京浜東北線に、講座参加者のEさんとYさんといっしょに乗り込み、ぼくは東神奈川で下車。それから横浜線に乗って、新横浜の宿(コートホテル新横浜)へ。
これまで、横浜の日雇い労働者が使うような宿ばかり停まって、テレビしかない3畳の部屋だったが、今回は、ふつうのビジネスホテルだったので、快適。テレビを見ながら、コンビニで買った弁当を食す。
明日、新横浜を発つまでの「本屋めぐり」はどこにしようかと迷っていたけれど、講座修了後、せっかくTさんと町田の話で盛り上がったのだからと、町田に行くことを決心。
シャワーも浴びて、2時前就寝。
*
11/30(日)。
朝、9時すぎ、起床。10時前、チェックアウト。
新横浜から横浜線に乗り、町田へ。
まず、町田マルイのなかにある「Solid&liquid ソリッド・アンド・リキッド」に行ってみた。
取次の大阪屋が仕掛けている(?)リーディングスタイルのお店で、「マルノウチリーディングスタイル」、「スタンダードブックストア あべの店」につづく第3号店がこの「Solid&liquid ソリッド・アンド・リキッド」だそう(最近、福岡の天神にもできたみたい*3。
本と雑貨などが縦横無尽に並べられ、併設にカフェもあり、なかなか刺激的なお店だった。幻想文学がけっこう揃っていたけれど、担当者の好みだったんだろうか。
西村賢太『一私小説書きの日乗 (角川文庫)』購入。
- 作者: 西村賢太
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/10/25
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
その後、変わりに変わった町田の街並みを楽しみながら(また、さみしがりながら)歩き、思い出深い「久美堂」にも行ってみた。
「久美堂」は、良くも悪くも、さほど変わった印象はなく(店内は改装されていたようだったけれど)、でも、めっきり専門書が減っていたようには思えた。町田在住作家のコーナーがあるのは楽しかった。
それから、「久美堂」横の、ドトールへ。このドトールは、学生時代よく通ったところで、これまた店内は改装されていたが、ここで、いろんな人と、あるいはひとりでいろんなことを考えたりしたことを思い出した。20年後に、こんなかたちで訪れるようなことがあろうとは、まったく予想していなかったけれど。
町田をゆっくり堪能する暇もなく(ほんとうは、有隣堂町田モディ店にも行ってみたかった)、折り返し、JRで新横浜へ。
売店で、息子に、新幹線のかたちをした人形焼きと、崎陽軒のシューマイを買う。
そして、また復路も、こだま653号、新大阪行きに乗り、4時間列車に揺られながら、帰路。
これまた4時間はあっという間に過ぎた。前日、指摘された「たられば書店」についてのあれこれや、今後のことを考えると、頭がいっぱいになり、肩がガチガチに力が入っていることを、名古屋ぐらいで気づいた。真剣に考えなければいけないことだけれど、もっと力を抜かなければと思った。
新大阪、16:00着。
土日のみ営業している、豊中の「blackbird books」に寄って帰ろうかと思い立つが、帰りが遅くなりそうなので、またの機会にする。
17時すぎ、帰宅。息子と遊んだり、テレビを見ながら、妻のつくる夕食を待つ。シアワセな時間。
さて、来週の「これからの本屋講座」までに、どういうブラッシュアップができるか、また考えなければ。