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たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



本屋であるためにこそ

 11/8(土)、参加した「これからの本屋講座〈第2期〉」(1回目)の感想、及び、旅の記録。

 11/8(土)。
 朝、8時起床。9時、S保育所の保護者会に参加。議案は、さほど重要なものはなく、15日〆切の保育所・保護者会アンケートの集計の方法やそのまとめ方については、いろいろと話し合う。
 保護者会は、10時半に終了。その足で、伊丹空港へ。12時発、ANA24便、羽田空港行きに搭乗。
 機内では、永江朗(046)「本が売れない」というけれど (ポプラ新書)』を読む。13時すぎ、無事、羽田着。飛行機って、やっぱり到着すると「無事に」って言いたくなる。
 東急線で横浜、JR根岸線に乗り換えて、石川町。14時すぎ、帰りが遅くなりそうなので、先に宿(ヨコハマホステルヴィレッジ林会館)にチェックイン。
 部屋には入らず、鍵だけもらって、そのまま桜木町まで歩く。途中、関内の横浜スタジアムなどを横目に(横浜スタジアムは、学生時代に一度だけ、阪神-横浜を見に来たことがあった)、ヨコハマを感じながら。
 15時前、「これからの本屋講座」の会場である、BUKATSUDO着(入口がなかなか見つからず、迷った)。近くのセブンイレブンに寄り、夕食のパンとコーヒーを購入。16時の講座開始まで、日本丸を見たり、周辺をウロウロ。

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 16~18時の講座は、〈第1期〉の方のブラッシュアップのつづきの場だった。
 初めて「見る」「聞く」、内沼晋太郎さん。
 読書アプリを開発されようとしている人、リトルプレスを発刊しようとしている人、福岡で新しいかたちの本屋を開業しようとしている人のプレゼンを聞く。
 ぼくは、もう、この(本に関わるすべてのことが否定的に語られる)時代に、そうやって、本について何かを始めようとしている人のそばにいれるだけで、シアワセな気分に浸っていた。こういう場があることだけで、すばらしい、と。横浜まで来た甲斐があった、と、そのときすでに思っていた。
 そして、内沼さんのコメントは的確で、何より、新しいことを始めようとしている人を「勇気づける」ことに長けた人だなぁ、と思った。
 講座修了後、福岡で書店を開こうとされているSさんと名刺交換。某版元の営業をされているSさんは、関西方面を担当されているそうで、我が守口の旭屋書店などのこともご存じだった。
 18時から〈第2期〉の講座が始まる19時までの間、外に出て、階段に腰掛けて夕食を摂ったり。ランドマークプラザ内の、くまざわ書店まで足を運びたかったけれど、その時間はなく。

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 19時、「これからの本屋講座〈第2期〉」(1回目)がいよいよスタート。
 参加者は、第1期からの継続の方を含め、今回は、ぼくを含め総勢11名(男性7名・女性4名)だった。まずは各々の自己紹介から。
 大阪から来たぼくがいちばん遠方からの参加者だと思っていたが、沖縄から来られている方もいて、驚いた。
 今回は、まず、内沼さんの「やってきたこと」を振り返りながら、「本とはなにか?」を考える場に。さらに、内沼さん曰く「きょうは、ぼくのやってきたことについての疑問をすべて解消してもらう回とするので、質問をどんどんしてください」とのこと。
 何が本で、何が本ではないか、今の時代、かなりその境界があいまいになっている、ということがわかり、且つ、本を「商売」にしていくには、じぶん(参加者)のなかで、再度改めて、その本の定義を見直してみることが必要だということがわかる講座の内容だった。
 ひと通り、内沼さんからの講義終了後、参加者から、さまざまな質問が飛び交う。
 ぼくは、なぜ内沼さんがそのように「本」についての再定義をするようになったのか気になったので、質問してみたところ、「最初から、出版社などの業界に身を置いていなかったことで、本の『周辺』をぐるぐる回りながら活動を続けていたから、物としての本だけではなく、いろいろと考えるようになった」との答え。
 さらに、内沼さんの(鳥取定有堂書店の奈良さんの、でもある)本屋=人、書店=場所という定義についての再確認や、内沼さんが、B&Bを説明されるときに何度も出てきた「本屋であるためにこそ」ということばについての意味を尋ねたり、ぼくが内沼さんに興味を抱くきっかけになった「街の本屋」論争(? *1)の真義を確認したり。
 あっという間の3時間、いや、ほんとは、時間は予定を延長して、終了したのは、22時半を過ぎていたと思う。
 その後、BUKATSUDO内で、ビールを片手に参加者と交流。

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 今回参加して、いちばん収穫だったのは、内沼晋太郎という人の輪郭がなんとなく見えてきたことだった。
 参加者からの質問で「内沼さんが、どんどんアイデアが出てくるのはなぜですか?」というものがあったのだけれど、そのとき、内沼さんは「ぼくには、ほとんどアイデアがないんです。ただ、課題解決型の人間なので、人から求められたものをただ考えに考え抜いて全力でやるだけ(言い方は少し違ったかもしれない)」と言われていたことや、内沼さんが、とにかく、物事の成り立ち・あり方にどんどん疑問を持ち、それをじぶんなりに「わかろう」とするタイプであること(ぼくは、勝手にそのタイプの人を「なんでなんで病」と呼んでいるけれど。そして、ぼくも少なからず「なんでなんで病」の患者であることは自覚している)などがわかった。
 ぼくは、内沼晋太郎という人は、もっと天才肌で、ひらめきの人、かと思っていたが、そうではなかったということがわかったことが、とても良かったし、そういう人との交流は、そこに何か生まれやすい土壌があると感じる。今後、あと4回の講座も、大阪から通う価値はあると確信できた。
 また、内沼さんが、いろんなツールを使って、「交流」「共有」しようとする人でもあることがわかって、そこにも親近感というか、賛同することができた。メーリングリストfacebookグループの設置はもちろん、講座の参加者の「メモ」をスキャンして、それを皆に公開するという試みも、すばらしい。

 講座修了後、また歩いて石川町の宿まで30分歩く。履き慣れない靴で歩いていたため、右足の小指が靴擦れ。
 ヨコハマホステルヴィレッジ林会館の3畳の部屋は、とても狭いというか、それよりも、日雇い労働者の人たちの怨念が部屋に立ち込めているような気がして、なかなか寝付かれず、2時すぎ就寝。

 11/9(日)。
 朝、9時起床。顔だけ洗って、すぐにチェックアウト。石川町駅前の喫茶店でモーニング。読売新聞の書評欄を読みながら。
 石川町からJR根岸線で横浜、横浜から東急線に乗り換え、中目黒。中目黒から歩いて、代官山 蔦屋書店へ。
 初めて行った代官山 蔦屋書店。もっと大きくて、もっと本の宇宙みたいな場所で、もっとコンシュルジュがウロウロしているのかと思いきや、想像が逞しすぎたせいもあると思うけれど、意外とこぢんまりとした書店で驚いた。そして、子連れ客が多いのにも。
 でも何より驚いたのは、偶然、学生時代の友人・Tっちと出会ったこと。書店イベントのスタッフとして、来店していたTっちの後ろ姿を見たときには、神様の力を感じた。でも、なぜか、その偶然も必然のように思えたのも確か。ひと通り、店内を見てまわったが、欲しくなった本は一冊もなく。イベントで忙しそうにしていたTっちに、メールでお別れの挨拶だけをして、店を後にする。

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 その後、店の前から東急トランセ(バス)に乗り、渋谷駅。渋谷から京王線で下北沢まで。12時すぎ、B&B着。
 蔦屋書店に行った後だったからかもしれないけれど、とても落ち着いた、想像以上に「まちのほんや」で、これまた驚いた。
 そして、もっと、鋭角な選書をしているのかと予想していたけれど、「え、ここ、ほんまにあのB&B?」と思えるくらい、(良い意味で)ふつう。でも、前日、内沼さんが強調していたけれど、たしかにこのサイズの書店にしては、外国文学の品揃えが整っていて、そこはとても新鮮だった。
 蔦屋書店とは対照的に、B&Bでは、欲しい本がたくさん連なっており、そのなか、なんとか絞り込んで、苦楽堂編『次の本へ』、田中相誰がそれを -田中相短篇集- (KCx(ITAN))』、佐伯一麦日和山 佐伯一麦自選短篇集 (講談社文芸文庫)』、最果タヒ死んでしまう系のぼくらに』、内田樹街場の戦争論 (シリーズ 22世紀を生きる)』を購入。

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 13時すぎ、B&Bを後にして、京王線で渋谷、渋谷からJR山手線で品川、京急線羽田空港まで。車中で永江朗(046)「本が売れない」というけれど (ポプラ新書)』読了(感想はまた後日)。
 空港の保安検査場で、筆箱のなかに入っていたカッターナイフがひっかかり、泣く泣く処分。いつも持ち歩いている「十徳ナイフ」は、引っかかると思って、家に置いてきたのに、筆箱のなかのカッターナイフまでは思いも寄らなかった。でも、往路の検査では引っかからなかったのに。
 15時発、ANA31便、伊丹空港行きに搭乗。気流が不安定ななか、機内では、カフカ・頭木弘樹編訳『絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)』を読む。山田太一の解説に誘われて購入したけれど、やっぱりこれは、なかなかの名著だ。カフカにとても興味を抱かせる。
 16時すぎ、「無事」、伊丹着。右足の靴擦れが、だんだんひどくなってきて痛みがひどく思うように歩けず、時間がかかり、18時、帰宅。
 それから、妻が用意しておいてくれた夕食を息子と3人で。講座の報告など妻に詳しくしたかったが、息子の大声がじゃまをして、断念。
 前夜、なかなか眠れなかったこともあり、21時すぎ、就寝。

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