たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



退院

 昨夜(ゆうべ)、3時AM就寝、今朝、7時半起床。眠かった。
 8時すぎ、息子の入院するM病院へ。息子、朝食中。
 昨日から、9時に退院したいと看護師さんに伝えておいたものの、主治医(一昨日の診察時に「退院時の診察は必要ない」と言われた)、看護師、会計の人たちの連携がとれておらず、結局、10時すぎまで病室で待機。その間、息子とプレイルームで遊んだり、落ち着かない、且つ、眠い時間。
 11時前、会計などを済ませて、退院手続き完了(テレビカードの精算を忘れた)。息子の学資保険(かんぽ生命)にセットした入院・手術保障費の請求のための証明書も依頼。
 それにしても、16日から8日間の入院、アデノイド・扁桃腺の切除、鼓膜のチュービング手術、食費も全部合わせて、支払った費用が合計1,000円というのは、とてもありがたいけど、この国の社会保障システムは破綻しても当然だ、と、人柄にもなくこの国の財政を心配をしてしまった。
 現在は、乳幼児医療費助成制度というものがあって(これでも守口市大阪府内でも助成額や助成期間がもっとも恵まれていない自治体なのだけれど)、1医療機関、同月内で、同じ病気の受診だと、1受診(これは入院・通院を問わない)自己負担額は一律500円。月3(日)回目以降は無料になるので、今回の自己負担額は、月2回(2日)分としての1,000円である。
 請求書をみると、保険(乳幼児医療費助成制度)適用前の入院・手術・食費を合わせると、67万円以上かかっていた。本来、大人であれば、この3割、つまり、20万円以上支払わなければならないはずだけれど、その自己負担額が、1,000円で済むというのは、何か少し異常な気がする。もちろん、何度も言うようだけれど、それは、ぼくら貧乏人の子育て世代にとっては、とてもありがたいシステムで、しっかりと享受させてもらうが、妻の付き添い用に借りていた保険の効かない簡易ベッド+布団代の方が高かった(8日間で3,500円)というのは、やっぱり、なにかおかしい(おまけに、かんぽ生命から、4,500円/日×8+手術保障2.25万円が請求できて、入院+手術までしたのに、家計がプラスとなるおかしな事態になる)。

 その後、薬局で、今夜から息子の入浴時に必要となる耳栓と、子ども用の歯磨き粉を買って、退院祝いに、駆けつけてくれたおじいちゃん・おばあちゃんらとともに、回転寿司(スシロー大日店)で5人で昼食。息子は、8日ぶりの「下界」にとてもはしゃいでいたけど、無理もない。5人で32皿食べた。それから、昼食後のデザートを食べに「ゆめどの」にも行った。
 「ゆめどの」は、京阪守口市駅前の金下町にある、いわゆる「古民家カフェ」。子ども連れでも気を遣わず入れる店で、ぼくは、「古民家」(長屋)を改装して人気を博しているこの店に、昨日も内覧に行った本町2丁目の「古民家」を重ね合わせていて、どれくいらい改装費がかかったのだろう?、とか、どのような意図でこの場所、この長屋にカフェを開こうと思い立ったのだろう?、とか、そういうことが気になっていた。訪れたのは昼食どきで、子ども連れのおかあさんグループなどで混み合っていたが、いつか近いうち、混んでいないだろう時間を見込んで、コーヒーを飲みに行きがてら、話を聞いてみたい。
 13時すぎ、帰宅。息子にとっては、こちらも8日ぶりの帰宅。帰宅するなり、おもちゃで遊び出して、且つ、おばあちゃんから新幹線(はやぶさ)のおもちゃをプレゼントされて、大喜びだった。14時ごろ、そろそろ昼寝の時間だったので、義父・義母が帰宅。久しぶりに3人で昼寝。

 15時すぎ、昼寝から目覚めたぼくは、ある大手取次のホームページを見て、新規契約部門に電話するも、何度かけても一向につながらず。
 ならば、書店開業について、いろいろと相談をできないかと、大阪府書店商業組合の事務局に電話。電話に出てくれたのは、事務局長のKさんで、「守口で書店を開業しようと思っている」「書店業については素人なので何もわからないが相談させていただけるのか」などと伝えると、Kさんは、「それなら、組合の副理事長で、守口の地元で、以前から活躍されている『ブックスふかだ』の深田さんに話を聞いてみるといい。やはり、地元で今営業されている人に話を聞くことがいちばん参考になるだろうから。ただし、深田さんは忙しい方なので、必ず事前に連絡をしてからお伺いするように」と教えてもらって、その後すぐに「ブックスふかだ」に電話。やはり深田さん自身はご不在だったが、店の方に、簡単な経緯を説明し、とりあえず明日、また電話させてもらう約束をした。
 もちろん、ぼくも、以前より、相談させてもらうなら「ブックスふかだ」だと思っていた。守口で唯一(といっては、他の書店に申し訳ないが)、「町の本屋」としてあり続けることにこだわっている書店のように思っていて、これまで何度も足を運んでいるし(一度、アルバイト募集の貼り紙を見て、問い合わせさせてもらったことがあるが、夕方から夜までの人材を募集されていたので、ぼくの希望と合わなかった)、ホームページを見ても、その熱意は伝わってきていた。

 その後、さきほど電話をかけた大手取次の代表電話に電話をかけた。新規契約部門の方につないでもらって、いろいろと話をきいた。
 「守口で書店を開業しようと思っている」と伝えると、電話口に出てくれた人は、ぼくの開業資金や、開業場所(「京阪守口市駅前で」と伝えた)、店の広さ(約10坪)などを聞いた後、予想通り「正直、いま、その資金や規模で書店を開くことは、おすすめできません」と話しはじめ、そこから「ダメ出し」が続くのかと思いきや、いや、ダメ出しはダメ出しだったのだけれど、その理由についても説明してくれた。
 「我が社をはじめ、大手取次は、月商300万が見込める書店となら新規契約を考える余地はあるのだが、あなたが今考えている条件でいうと、150万も難しいと思われ、まず取次との契約は難しい。開業には、坪13万ほどの準備資金、坪50万ほどの商品仕入れ費用もかかる。さらに、うまくいったとして、150万から、賃貸料やさまざまなものを考えると、もし、うまくいかなかったときに、開業資金でかけたお金(改装費など)を回収できない可能性が大きい。その他、いろいろと考えて、やはり、書店を開きたいなら、まずは古物商などの免許を取得して、古書などから始められるのが無難ではないか」などなど。「取次の私からは言いにくいことではあるのだか、オフレコとして」と前置きされたうえで、「子どもの文化普及協会」のことも教えてくれた。
 あと、気になったのは、「近々、蔦屋(TSUTAYA)さんが守口駅前に新規出店されることもあるから、守口の書店事情は、変わってくるのではないか」とも言われており、梅田に「蔦屋書店 梅田」を開かれるニュースは知っていたが、守口にも?! 京阪守口市駅駅前には、駅の高架下にレンタル専門のTSUTAYAはあるが、書店も開かれるとは? 場所はどこなのだろう? もちろん予定らしいので、詳しい話は聞けなかったし、どちらにしても、太刀打ちできる相手ではないけれど、その発言は気になった。

ニュースリリース|CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

 電話で話していると、16時すぎ、息子が昼寝から起きた。
 雨が降っていたようだったが、そのとき止んでいたので、洗濯機のなかでそのままにしてあった洗濯物を干す。妻も昼寝から目覚め。18時ごろ、夕食の食材を買いに、シェフカワカミまで息子と買い物。19時、妻のつくってくれた、ゴーヤチャンプルーで夕食。自宅で3人の夕食も8日ぶり。
 その後、ぼくは眠くなって、後片付けも何も手伝わず、和室で寝てしまう。起きたのは、21時ごろ、風呂から上がってきた息子に起こされたとき。風邪をこじらしてはいけないので、急いでパジャマを着せた。さっそく、明日から保育所通いが始まる。
 眠るとき、息子に、先日、「風の本屋」で買った、すとうあさえ・ぶん/堀川理万子・え『ぱんぱんあーん』(こどものとも0.1.2. 2014年 10月号 [雑誌])を退院祝いにプレゼント。さっそく妻に読んでもらっていた。息子は「きょうは、絵本は2冊で終わり」と妻と約束していたにもかかわらず、3冊読んでもらっていたが、4冊目も読んでもらいたくて、大愚図り。夜中、3時ごろも、おねしょをしてしまったことを機に、また大愚図り。おねしょなんて滅多にしないのに、やっぱり退院して、8日ぶりの自宅での就寝、環境が変わってその変化に戸惑っているのか。

 さて、新刊書店、それも取次と契約し、最新刊も置いてある書店を開業するのは難しいのか。
 新刊と古書と併売で運営する策が、現時点では、やはり、有効なのかな。「とほん」さんのように。
 どちらにしても、いろんな人に話を聞きたい、いろんな本屋を見てみたい、改めて、そう思えてきた一日だった。

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