たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



風の本屋

 昨夜(ゆうべ)、久しぶりにテレビ(読売テレビで放送していたルパート・ワイアット監督『猿の惑星 創世記』)を見ていたら、見ているのが辛くなってすぐに眠ってしまう。23時前には。
 最近、文字を追う(本を読む)ことに集中しているので、映像を追いかけることが不得手になってきているのかもしれない。「ズンドコ生活」のときは、(Huluなど)テレビばかり見ていたというのに(ほかに「できること」がなかったからだが)。
 そして昨夜も、2時前に目が覚める。なぜか2~3時間しか眠りが続かない。浅いのだ。良くない傾向だと思われるが、仕方がないので、目を覚ます。目を覚まして、パソコンなどでネットを見ていたら、あっという間に時間が経つ。昨日読んだ、三島邦弘『失われた感覚を求めて』が思いの外良かったので*1、なぜか、著者に手紙(官製ハガキで)を書き、ゴミ出しのついでに、夜中にポストに投函しに外に出た。5時すぎ就寝。

 きょうは、日中、木村俊介『善き書店員』を読んでいたら、近所の書店に(調査も兼ねて)出かけたくなった。
 守口市内でまだ行ったことのない書店に行ってみようと思い、大阪府書店商業組合のページで「一九書店」(名前がとても良いと思う)という書店を見つけたのだが、ネットで検索してみると、どうやら外商専門(配達専門)の書店だった。それならばと、支度して、原付(リトルカブ)で、まずは、旭区の森小路にある「風の本屋」へ。
 「風の本屋」は、以前、「共産党系、というか、反戦系というか、新日本出版系」と書いたが*2、実際に店内に入ってみると、その色はまったく濃くなく、程良い(?)感じで、決して数は多くないが絵本もそれなりに充実しており、また店先には純粋な共産党系書店ならぜったいに置かないような週刊誌などもあったり、いちばん気に入ったのは、福音館書店の月刊誌の1年分ぐらいのバックナンバーがあったこと。
 そこは、まさに「町の本屋」という感じで、ぼくの目指す「まちの本屋」にも近いように思えたので、日頃、勇気がなくて、そんなことはできないのだが、店内にはぼくひとりで、それほど忙しそうにも見えなかった(失礼)、渡辺範子『答えは子どもの中、お母さんの中に (福音館の単行本)』、松村由利子子育てをうたう (福音館の単行本)』、すとうあさえ・ぶん/堀川理万子・え『ぱんぱんあーん』(こどものとも0.1.2. 2014年 10月号 [雑誌])、安江リエ・文/及川賢治・絵『ひもが いっぽん』(こどものとも年中向き 2014年 04月号 [雑誌])、吉岡さやか・さく『おむかえ』(こどものとも年中向き 2013年 04月号 [雑誌])を購入ようとレジに行ったとき、店番をしていたおばさんに声をかけ、「実は、ぼく、守口で本屋を開きたいと思っているんですよ」と言ってしまう。こんなことができたのは、きょうが初めてだった。
 おばさんは、とても話しやすく、面倒がらずに「風の本屋」という本屋の紹介をしてくれた。「風の本屋」は、先々代の「おじいちゃん」が古本屋をきっかけにはじめた書店で、「子どもには本が必要」、「赤ちゃんには、読み聞かせ(音を聞かす)ことがいちばん」だという理念の下、書店業界の組合活動にも忙しく精を出しながら、開業されたのだという。「本屋さんは大変だけれど、やり甲斐はあるわ」というようなことも話されていた。購入した本とともに、「2014年・CBL(Children's Book Library)ブックカタログ」(分厚い)を何気なく袋に入れてくれたのがうれしかった。毎週木曜日に開催している「チビッ子本よみかい」にも「ぜひ」と誘っていただいた。ぜひ参加してみたい。
(これまで気づいていなかったが、「風の本屋」の隣は、ぼくが中学時代に吹奏楽部でお世話になっていた「アルト楽器」さんの店だった)

風の本屋(京阪森小路駅北側・大阪市旭区森小路

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 その後、森小路の町を原付でウロウロしていると、駅前に「goody」という小さな新刊書店を発見。
 大阪府書店商業組合の旭区のページには載っていなかった書店なので、ワクワクして入るも、そこは、ほんとにほんとに昔ながらの「町の本屋」で、(アダルト)雑誌もあり、資格書も、コミックもあったりで、ぼくの興味がわく本はなかったが、今どき、こういう書店が残っていることが驚きだった。さらに駅から東に商店街を走ると、「中西書房」という、これまた小さな新刊書店があったが、あいにくきょうは臨時休業日だった。

●goody(京阪森小路駅前/大阪市旭区新森2丁目)

 ぼくは、さらに書店を見たくなって、帰路に着きながらも、千林に行き、千林商店街内の、「ブックランドとおの」(千林店)(この本屋がチェーン店だと知ったのは、帰宅してネットで検索してからだ)に入った。
 「ブックランドとおの」は、さすがにチェーン店らしく、品揃えも新しい本が中心で、棚や平積みしている本にも隙間がなく(逆を言えば、他の書店は棚にも平積みしている本たちの間にも隙間があり、なかにはスカスカな店もあった)、本を買いたくなる品揃えと雰囲気があり、なかなか繁盛していた。「町の本屋」として、きょう訪れた本屋のなかでは、いちばん客数も多かった(というか、他の書店は、お客さんが一人もいなかった)。思わず、「アルバイト募集していませんか?」と訊いてみたくなったが、「風の本屋」のときとは違い、今度はその声をかける勇気がなかった。そして、「ブックランドとおの」(千林店)のすぐ近くにあった「深田書店」にも行った。こちらは、HP通り、教科書販売専用の書店のようで、完全にテナント賃貸だけで経営している会社で、店頭販売は行っておらず、ビル全体がカルチャー教室になっていた。

●ブックランドとおの千林店(大阪市旭区千林2丁目・千林商店街内)

深田書店大阪市旭区千林1丁目・千林商店街少し外れ)

 ここまで何軒か廻ったところで、書店商業組合のページに載っていない店が何店もあったので、千林商店街内には、他にも書店があるのではないか? と歩いたけれど、重い原付を押しながらだったので、だんだん疲れてきて、他には見つけられなかった(帰宅して、商店街のHPを調べてみたところ、地下鉄の千林大宮駅付近には、楠書店[古書店]、川端書店[2013年4月閉店]、松田書店[新刊書店]もあったようで、とくに松田書店には訪れられず残念だった)。そうして、歩き疲れたぼくは、千林商店街を少し外れたところで見つけた「長屋」のカフェ「マーブル」に入ってみようかと思い、店先まで行ったのだが「店内禁煙」の貼り紙を見て止した。

●長屋カフェ「マーボロ」(大阪市旭区千林2丁目)

 土居駅の方に走って、守口市内の本屋にも訪れた。何度か訪れたことがある「仲田書店」(守口保健所そば)、そして、土居旭通商店街内にある「森川書店」にも行ってみた。その後、森川書店」横の喫茶店に入り、ホットドックとアイスコーヒー。

●森川書店(守口市日吉町・土居旭通商店街)
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●仲田書店(守口市小春町)

 ぼくは、最近、内沼晋太郎さんの「街の本屋」論にも影響されて、ある程度のセレクトショップでも良いかな、と思い始めているのだけど、せめて、ベストセラーや、気に入った雑誌の新刊は置いていられるような書店がいいと思い始めている。

 書店巡りを終えた後、きょうは、17時すぎ、M病院に入院中の息子の病室へ。
 『こどものとも年中向き 2014年 04月号 [雑誌]』と『おむかえ』を渡すも、あまり興味示さず*3。ちょうど、長い昼寝から目覚めた直後だったようで、息子は妻の足下に身を埋もれさせながら、何やらグズグズ言っていた。きょうは、それからも、ぼくに風当たりが強く、ちょっとさみしくなったけれど、ずっと不在の父よりは、ずっとそばにいてくれる妻が良いのは当然かもしれなかった。
 しばらくすると、夕食の配膳車がやってきて、息子は妻と食事前の「うがい」へ(医師から「口のなかにバイキンがいるといけないので、ごはんを食べる前にも『うがい』してね」と言われている)。夕食は、オニギリと鶏肉の煮物、カボチャ煮、葉野菜のお浸しだった。
 昼寝中に配膳されていた「おやつ(フルーツみつ豆)」が息子は気になって仕方がないようだったが、みつ豆も食べつつ、なんとかほぼ完食。自宅だったら、ぜったいに食べない量を食べるようになったのは、なぜだかわからないけれど(扁桃腺・アデノイド切除手術の影響?)、とても良い傾向だ。
 妻は、ぼくがつくっていったお弁当(単にご飯にちりめんじゃこをふりかけ、梅干しとたらこを添えたもの)を食べた。ぼくはなぜか食欲がわかず、何も口にせず。
 食後、昨日と同様、iPadでHuluを開き、それをHDMIケーブルで病室のテレビにつなぎ、「妖怪ウォッチ」を。
 ぼくは、息子が喜んでテレビ画面に向かっているのを横目に(どうやら、ぼくが病室を出てすぐに、電波の状況が悪くなったからか、映像が見られなくなったらしく、さぞ息子は悔しがっただろうと思うが)、19時からの守保連(守口保育運動連絡会)の定例運営会議のため、原付に跨がり、国際交流センターへ。
 会議室に入ると、事務局のWさんに「司会お願いします」と言われ、ちょっと驚いたけれど、Wさんの助けを請いながら、なんとか進行。
 会議は、ひと月後(10/19)に迫った、保育所まつり@大宮中央公園の話題に終始。「ズンドコ生活」のため、定例運営会議は7、8月と休ませてもらっていた。一応、ぼくは保育所まつりの実行委員長なのだけど、これまでほんとうに「名ばかり委員長」で、迷惑をかけてきていたが、前年以前からずっと事務局を担っているWさんや、その他会員さんのおかげで、すでにほとんどのことは決まっていて、あとは確認事項だけだった。当日はなんとか役に立てたらと思う。
 会議終了後、息子が通う同じS保育所のMさんやKさん、そしてWさんも交えて、保育所まつり時のS保育所の担当を再確認。入院している息子を心配してくれている様子でありがたかった。おもしろかったのは、Mさんの息子のSくんも、アデノイド切除手術を医者から薦められているそうで、さらには、Kさん自身が子どもの頃からアデノイドで悩まされてきたという事実。扁桃腺・アデノイド肥大が、これほどポピュラーなものとは、知らなかった。
 21時すぎ、帰宅。帰宅し、夕食は、卵かけご飯一杯。

 夕食後、引き続き、『善き書店員』を読み進める。熊本・長崎書店の長﨑健一さんのお話しは、かなり刺激的だったのだが、感想は、すべて読み終えてから、また改めて書こうと思う。今夜は、第6章まで読んだ。
 読み終えた後、このブログを更新しようと、撮ってきた書店の写真を「はてなフォトライフ」にUPしていたら、もう無料容量分(30M)がなくなってしまっており、このブログでは、これからも写真や画像をUPすることはあるだろうからと、渋々「(はてなブログ)Pro」に申し込む。そして、その他にも設定をいろいろといじっていたら、日を跨いでしまう。

 それから、先日来、「たられば書店」のロゴというか、看板や、ブックカバーに印刷する書店名のデザインを考えたりしていたのだけど、とりあえず、こんな感じ↓で。それを機にこのブログタイトル画像も↑のように設定してみた。

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 さて、きょうも、もうすぐ4時AM。朝刊が配達される。
 開業日誌を続けるのはいいし、本を読めているのも満足しているが、睡眠時間については、少々見直さなければならないかも。続けていくことが、何より重要だと思うので、このままだと体も気力ももたなくなってくるのは、時間の問題だ。

善き書店員

善き書店員

*1:詳細な感想→ http://bit.ly/1scNle2

*2:http://bit.ly/1scNIoY

*3:ぱんぱんあーん』は、パン好きの息子はきっと気に入ると思ったが、ただでさえ、食べたいものが食べられない入院中の息子には刺激が強いかと思って、渡すのを止した

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