たられば書店 (仮称) 開業日誌

大阪・守口市に「まちの本屋」(たられば書店[仮称])を開こうとする試み

すべからく、こと、山本大介と申します。
大阪府・守口市近辺で本屋を開業しようと思っています。(今のところ)屋号は「たられば書店」。
日頃忘れてしまいがち/あきらめてしまいがちなこと、「もし、…し『たら』/きっと、…す『れば』」を叶えられそうな場所をつくりたいと思っています。

普段は4才の男の子の父親であり、現役「主夫」です。

いま、どんな本屋が求められているのか? ぼくはどんな本屋がしたいのか?
書店業にはほぼ就いたことのない、ずぶの素人ですが、そんなぼくが考え、実行する記録です。
※2014年12月以降、ずいぶん更新停止していましたが、再開しました。(2016.2.25~)

にちじょうごともちらほら書いています。にちじょうと本(屋)は地続きだと信じているので。



こうもり

 日曜日なので、当然だけれど、妻もしごと休み、息子も保育所休み。
 家族なのに、不思議なことだけれど、ふたりがいると、家でどう過ごして良いかわからない。今の僕にとって、この家のなかだけが居場所であるから。
 夜、マンションの管理組合の理事会に出かける。面倒なのに、用事があって家を出ることがうれしかったりもする。

 ふたりが昼寝している間に、早川義夫ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)』を読みはじめ、ふたりが寝静まってから、読み終えた。
 単行本版ももちろん持っているし、以前、少し読みかけていたりはしたのだけど、こうして読めたのは、じぶんが、いま、「本屋をひらく」という以前よりは明確な目標を持っているせいだと思われ。
 内容は、1982年の単行本版に『いやらしさは美しさ』(2011)からの一部を増補収録したもの。もっと本の選び方や、書評、お客さんとの交流なんかがメインだと思っていたけれど、小さな書店経営者なら普遍的である(らしい)、最初から最後まで取次や出版社に対する「ボヤキ」である点がなかなかおもしろかった。
 この文章が書かれた時代1982年以前は、まだ本屋が俗に言う(今では、ノスタルジーとしてしか語ることができない)「まちの本屋」として存在できた時代であり、だからこそ取次からの配本も自動的に送られてくる、という本屋を経営している。
 印象に残ったことばは以下に引用するけれど、このほかに、早川さんは、本屋として、ヒジョーに「立ち読み」について怒っている部分が興味深かった。増補収録された部分で「しかし、僕は書こうと思う。もう一度リングに上がろうと思う。立ち読みは僕に与えられた唯一のテーマのような気がするのだ」とまで述べているところ。

「当書店は厳選した良書のみ置いています」といった、児童書専門店の話を聞いた時も、僕はなんかへんな感じをもった。もちろん、全国の書店がみなそれぞれ、何かの基準で何かを削り、何かを選んで棚に並べているわけだから、どういうやり方をしたって、けっしてその店のやり方が間違っているというわけではないのだけれど、「良書を選んでます」という良書という言葉を出すことが気になるのである。商売の宣伝文句としてはあってもいいが、それが正しいのだみたいな雰囲気がこわい。(P.73)

 きれいな買い方をしていれば、きれいな本はむこうからやってくる。

 優越感を持とうとすることは、劣等感を持っている証拠である。

 いいものは、あらゆるジャンルをこえ、どこにでもおさます。

 本が好きで本屋をはじめたけれど、本よりもまず、人間が好きでなければならなかった。

 本よりも、本屋が好きな人は、本を、配達してくれなどとは言わない。
 しかし、本よりも、本の中味だけが好きな人は、牛乳のように配達してくれと言うであろう。(P.165)

ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)

ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)

 『ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫)』を読みながら、ふと気になり、現在で、この守口や(大阪市)旭区というところには、どれくらい書店(本屋)があるのだろう、と、今更ながら調べてみたくなった。
 ネットで検索をかけると、大阪府書店商業組合のページがあり、検索してみると、守口市結果は、5軒だった。5軒のうち、3軒は知っている。おそらく教科書販売で経営を成り立たしているだろう店だった。人口約15万の守口市に本屋は5軒。これが現実だった。
 旭区はどうだろう? と調べると。結果は7軒(ちなみに、人口は約9万人)。深田書店は、守口にある「ブックスふかだ」が独立する前の店で、ホームページを見てみると、やはり教科書販売で経営を成り立たせている店で、千林商店街にある店舗は、カルチャーセンター用に改装し貸しているだけらしい。その店舗をなんとか、また本屋として復活させてもらえないだろうか、なんて、思った。
 その他、風の本屋は、共産党系、というか、反戦系というか、新日本出版系というか。でも、その土地で、子どもたち向けの専門書店として、踏ん張っている書店であり、店の前を通り過ぎたことがあるぐらいで入ったことはないので、一度、訪れてみたいと思った。

 夕方、昼寝から目覚めた「魚釣りがしたい」と息子が「木ぎれ」を手にせがまれたので、淀川河川公園まで歩く。
 そんなふうに、休日の夕方、息子と淀川へ散歩に行くのは、春以来だっただろうか。春はまだ草がそんなに伸びていなくて、川辺まですぐどこからでも行けたが、今は、どこも草がぼうぼうに伸びていて、簡単には川辺まで行けなかった。なんとか探して、その道を見つけ、川岸まで。
 こうもりがものすごい低空飛行をしていた。

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 昨夜(ゆうべ)、くるりのニューアルバム『THE PIER (初回限定盤)』のミュージックビデオを見た。ほしい。


くるり-There is(always light) / Quruli-There is(always light ...

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